- 作った曲がどうもこもって聴こえる
- 楽曲がなんか安っぽく聴こえる
- 自分の曲を爆音で聴いたら耳が痛くなる
ミキシングとは、未だAIでもなかなか手こずっている作業の一つです。
「センス」や「好み」に左右されるこの楽曲制作の段階は取得するのには結構時間と労力がかかります。
しかし、センスや好みの前に根本的な押さえておくべき要素はあります。
この記事では、そのミキシングの根本となる音の「立体感」について解説します。
ミキシングで必ず意識するべき要素は:
- 音源の左右配置:パンニング
- 音の高低バランス:周波数帯域
- 音源の強弱バランス:レベル
- リバーブやディレイなどのエフェクト
これだけは記事の手順通りにやってもすぐには完璧な音源には仕上がらないかもしれませんが、一歩ずつ近づくことは出来るはずです。
めげずに一緒に頑張りましょう!
目次
はじめに:立体感の重要性とミキシングの目的
楽曲制作において、音の立体感はリスナーに深みや魅力を感じさせる重要な要素です。
ミキシングは、この立体感を実現するための過程であり、音のバランスや配置を調整することで、音楽に命を吹き込む役割を果たします。
立体感がもたらす楽曲の魅力
立体感がある楽曲は、リスナーにより感情移入しやすい作品を提供します。
それぞれの楽器や音が空間の中で独立した位置を持つことで、音楽でリアルな世界を描くことができます。
これにより、音楽を聴くだけでなく、まるでその場にいるかのような体験を提供し、リスナーの心を捉えることができるのです。
ミキシングで目指す音像のバランス
ミキシングでは立体感を出すために、音の配置やバランスを調整します。
各音源のパンニングやボリュームを適切に設定することで、音が重なり合わず、聴きやすい音楽を作ることができます。また、周波数帯の調整やエフェクトの使用も、音の立体感を引き出す重要なポイントです。
これらの要素をうまく組み合わせることで、プロフェッショナルなサウンドを実現することができるのです。
この動画でミックスの需要さがわかると思います↓↓↓
楽曲ミックスのビフォー&アフター
立体感を生み出す要素
ポイント
楽曲に立体感を与えるためには
- パンニング
- 周波数帯域
- レベル
といった要素を適切に調整することが重要です。
それぞれの役割を理解し、効果的に活用することで、音楽に深みを与えることができます。
パンニング:音源の左右配置
パンニングは、音源をステレオの左右に配置する技法です。適切なパンニングを行うことで、各音源が独立した空間を持ち、リスナーに立体感を感じさせることができます。パンニングは、楽器の自然な配置を再現するためにも役立ちます。
例えば
ドラムやギターはそれぞれの位置に応じて左右に分散させると、リアルな音像が実現できます。
又は、ドラムのキック(バスドラ)は中央に置いて、アコギを少し右にずらすことで立体感が生まれます。
パン(定位)を調整する方法
周波数帯域:音の高低バランス
周波数帯域は、音の高低を表す要素であり、適切なバランスが重要です。
各音源の周波数帯域を調整し、音が重なり合わないようにすることで、クリアで聴きやすい音楽を作ることができます。
イコライザー(EQ)を用いて、必要な周波数帯を強調したり、不要な周波数帯をカットすることで、音のバランスを整えます。
例えば
ベースとピアノの両方の低音が響いていると音が被ってしまって濁った音に聞こえてしまいます。それぞれの楽器を目立たせるには、ピアノの低音を削ってベースにスペースを与えてあげます。
世界一わかりやすいEQの使い方!
レベル:音源の強弱バランス
音源の強弱バランス(レベル)は、立体感を生み出すうえで欠かせません。各音源のボリュームを調整し、適切な音量バランスを作ることで、聴きやすく、奥行きのある楽曲を実現できます。
チェックポイント
ボリュームの調整は、音源間のバランスを保ちながら、ダイナミックレンジ(音の強弱の幅)を維持することがポイントです。また、コンプレッサーやリミッターなどのエフェクトを用いて、適切なダイナミックレンジを保つことも重要です。
ミキシングの作業の流れでは、一番最初に音量バランスを整えるところから始めるエンジニアが多いです。
ミックスにおける音量バランスのとり方(順番論)
イコライゼーション(EQ)で周波数帯域を整える
イコライゼーション(EQ)は、楽曲制作において欠かせないツールです。EQを使うことで、周波数帯域を調整し、音のバランスを整えることができます。
ここでは、EQの基本的な使い方と、カットとブーストを使った音のバランス調整について解説します。
カットとブーストで音のバランスを整える
EQを使って音のバランスを整える際には、カットとブーストの2つの手法があります。
カットは、不要な周波数を減らすことで、他の音源との重なりを避けます。例えば、ベース音源の高い周波数をカットすることで、メロディーが聞きやすくなります。
一方、ブーストは、音源の特徴を強調するために、特定の周波数を増やすことです。例えば、ドラムの低音をブーストすることで、迫力を増すことができます。
ただし、過剰なブーストは音質の悪化に繋がるため、適度に行うことが重要です。
一般的には 0.2dB ~ 2dB ぐらいのカットやブーストが多く見られます。
音源のレベルを調整し、立体感を作り出す
楽曲制作において、音源のレベル調整は立体感を生み出す重要なポイントです。
ここでは、音量バランスの重要性と、フェードイン・アウトやオートメーションを使ったダイナミクス表現について解説します。
音量バランスの重要性
音量バランスは、楽曲の中の各音源が適切な音量で聞こえるように調整することです。
- 適切な音量バランスが整っていると
- 聞き手にとって聞きやすく、楽曲全体が一体感を持ちます。
逆に、バランスが悪いと、楽曲が混沌とした印象を与えることがあります。バランス調整の際には、各音源の役割や立ち位置を考慮して、適切な音量に設定することが大切です。
フェードイン・アウトやオートメーションでダイナミクスを表現する
フェードイン・アウトは、音の強さを徐々に変化させるテクニックで、楽曲の始まりや終わりに使われます。
これにより
自然な流れを作り出すことができます。また、オートメーションは、音量やパンニングなどのパラメータを自動で変化させる機能です。
つまり、オートメーションとは音量などの上下を「記録」させることです。
- 例えば
- サビだけ歌の音量を上げたい場合は音量の動きをインプットすることが出来ます。
それによって次に再生した時は自動的にその部分だけ音量が上がります。
音量だけではなく、ほぼ全てのパラメータに応用可能です。とても地味で時間がかかる作業ですが、ミキシングでは大変重要な段階です。
オートメーションを説明してる動画
空間エフェクトを使って立体感を強調する
リバーブの活用方法
リバーブは、音に残響や空間感を加えるエフェクトです。
適度にリバーブをかけることで、楽曲に奥行きと広がりを与えます。具体例として、ボーカルにリバーブを適用することで、自然な空間感を演出し、聴き手に心地よい印象を与えることができます。
例えば↓↓↓
ディレイを使った立体感の強調
ディレイは、音の遅延効果を利用して立体感を強調するエフェクトです。
ディレイをかけることで、音が左右や前後に広がり、リッチな音像を作り出すことができます。例えば、ギターやシンセサイザーの音にディレイを適用することで、単調な音から立体的で広がりのある音に変化させることが可能です。
ディレイも適切な量を使うことが重要で、過剰に使用すると音が混雑してしまいますので、バランスを見ながら調整しましょう。
立体感を生かした楽曲例の紹介
有名アーティストの楽曲解説
立体感を活かした有名アーティストの楽曲として、U2の「With or Without You」が挙げられます。
この楽曲では、ギターにディレイを使用し、独特の空間感を生み出しています。
また、ボーカルにリバーブを掛けることで、歌声に深みと広がりが加わっており、聴き手に感動を与える効果があります。
このように、有名アーティストの楽曲からも立体感を活かす方法を学ぶことができます。
立体感を活かしたミキシングのポイント
立体感を活かすミキシングのポイントとして、まずパンニングを活用しましょう。
ジミヘンの Bold as Love はパンニングの凄さがわかりやすい曲だと思います。
パンニングは、楽器の位置を左右に振り分ける技術で、音の広がりを演出することができます。また、リバーブやディレイを適切に使うことで、音に奥行きと空間感を与えることが可能です。
ただし、先ほども述べたように、エフェクトを過剰に使うと音がぼやけたり混雑したりするため、適度な量を心がけることが大切です。
立体感を生かしたミキシングにより、音楽に深みと魅力を加えることができます。
まとめ
ミキシングというのは非常に深い題材なのでブログの記事1つでは全てを説明しきれませんが、この基礎を理解していればきっといい音につながります。
必ずミキシングで意識するべき要素は:
- 音源の左右配置:パンニング
- 音の高低バランス:周波数帯域
- 音源の強弱バランス:レベル
- リバーブやディレイなどのエフェクト
この記事を参考に曲をミキシングして、最高な曲を世に送り出してください。